🛡 社会保険労務士 監修済み
傷病手当金と失業保険は両方もらえる?正しい順番と切り替え方
この記事でわかること
- 傷病手当金と失業保険を同時に受け取れない理由
- 病気で退職した人の正しい受給の順番
- 失業保険を「受給期間延長」で取っておく方法
こんな人におすすめ
- 病気やけがで退職し、お金の受け取り方を知りたい人
- 傷病手当金と失業保険の両方が気になる人
- 退職後の生活費の見通しを立てたい人
病気やけがで退職した人にとって、傷病手当金と失業保険は心強い制度です。ただし、この2つは“同時には”受け取れません。順番を間違えると損をすることもあるため、正しい受け取り方を知っておきましょう。
同時にもらえない理由:要件が正反対
傷病手当金は「働けない人」、失業保険(基本手当)は「働ける人」が対象です。要件が正反対なので、同じ時期に両方を受け取ることはできません。
| 傷病手当金 | 失業保険(基本手当) | |
|---|---|---|
| 対象 | 病気・けがで働けない人 | 働けて求職活動できる人 |
| 出どころ | 健康保険 | 雇用保険 |
| 目安の額 | おおむね給与の3分の2 | 賃金日額をもとに算定 |
出典:協会けんぽ・ハローワーク
正しい順番:傷病手当金 →(回復後)失業保険
損をしない基本の流れは次のとおりです。
- 1
働けないあいだ:傷病手当金
退職後も条件を満たせば継続受給できる(通算1年6か月まで)
- 2
失業保険は『受給期間延長』で取っておく
働けない間は申請せず、受け取れる期間を先送りして守る
- 3
回復したら:失業保険
働ける状態になったらハローワークで求職申込みをして受給開始
出典:協会けんぽ・ハローワークをもとに編集部作成
ポイントは、働けない間に失業保険を無理に受けようとしないこと。失業保険は「働ける」ことが前提なので、働けない時期は傷病手当金に専念し、失業保険は次の手順で取っておきます。
失業保険は「受給期間延長」で取っておく
失業保険には原則「離職日の翌日から1年」という受給期間があり、働けないまま過ぎると受け取れなくなります。そこで、病気などで30日以上働けないときは受給期間延長を申請しておけば、回復後に受け取れます(詳しくは失業保険の受給期間延長)。
これをしておかないと、療養している間に失業保険の期限が切れてしまうことがあります。退職して療養に入るなら、早めに延長を申請しておきましょう。
退職後も傷病手当金を受け取る条件
退職後も継続して傷病手当金を受け取るには、主に次の条件があります。
- 退職日まで継続して1年以上、健康保険の被保険者期間があること
- 退職時に傷病手当金を受けている、または受けられる状態(働けない状態)であること
条件や残り期間は加入していた健康保険によるため、確認しておきましょう。基礎は傷病手当金とは、健康保険の選び方は退職後の健康保険で解説しています。
やってはいけないこと
両方を同じ時期に申請しない
傷病手当金(働けない)と失業保険(働ける)を同じ時期に両方申請するのは、事実と矛盾する申告になり、不正受給につながりかねません。体調を偽ってどちらかを受け取るのも同様です。あくまで実際の状態に合わせて、時期をずらして活用してください。
まとめ
- 傷病手当金と失業保険は要件が逆=同時には受け取れない。
- 基本の順番は**「働けない間=傷病手当金 → 回復後=失業保険」**。
- 失業保険は受給期間延長で取っておけば回復後に受け取れる。状態を偽った同時申請はしない。